小児科一般

子どもがかかりやすい病気一覧

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発熱

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お子さまの発熱の原因は多くの場合感染症です。ウイルスや細菌などが体に感染すると免疫機能が働き、その増殖を抑えるために体温があがります。発熱は体を守るための大切な反応です。発熱があっても機嫌よく食事や水分がとれている場合はあわてる必要はありません。次のような場合は検査や治療が必要ですので、ご受診ください。また、受診を迷われる場合はご相談ください。

すぐに

  • 3か月未満の赤ちゃんの発熱
  • 41度以上の発熱
  • 痙攣した
  • 呼びかけても反応が乏しい
  • ぐったりしている

できるだけ早く

  • ひどく機嫌が悪い
  • 水分がとれない
  • 症状が悪化している
  • 4日以上熱が続く

咳はウイルスや細菌に感染して炎症が起こり、増えた痰や異物を外に出すために出ます。大切な防御反応なので、少しの咳ならとめようとする必要はありません。夜何度もおきる、母乳・ミルクや食事を吐いてしまうような場合は受診しましょう。
室内の温度差、ほこりっぽさ、乾燥なども咳を誘発します。換気や掃除をして、湿度が40-60%くらいになるよう加湿をしてみてください。せき込んで苦しいときはたて抱きにしたり、座らせて背中をトントンしてみましょう。痰が切れやすくなります。上半身を少し上げて寝るのも有効です。
また、食事中や遊んでいるときに急にせき込み、苦しそうになった場合は誤嚥(気管にものがはいること)の可能性があります。顔色が悪く苦しそうな場合は背中をたたいて吐き出させる処置をし、救急車を呼びましょう。

鼻水・鼻づまり

鼻水は鼻に入ったものを外に出すために出るからだの防御反応です。とはいえ、鼻水や鼻づまりで息苦しく眠れない、食事がとりづらいなどあれば処置や治療が必要になります。家庭では部屋が乾燥しすぎないようにしたり、鼻吸い器でこまめにとってあげましょう。
また、決まった環境でさらさらと鼻水がでたり鼻づまりがある場合はアレルギー性鼻炎の可能性もあります。治療ができるものなので、症状が強いときは受診をおすすめします。

嘔吐

小さなお子さまは大人に比べて嘔吐しやすく、ちょっとした刺激によって食べ物などを吐き出してしまいます。しかし、嘔吐した後もふだんと変わらず、けろっとしているようなら、そのまま様子を見ていれば良いでしょう。吐き気がおさまったら少しずつ水分を与えましょう。ただし、何度も繰り返し吐く、吐いた後にぐったりして元気がない、おしっこがでないといった場合は、感染症など消化器の病気、アレルギー、中には神経の病気による嘔吐の場合もありますので、受診をおすすめします。

下痢

こどもの下痢は細菌やウイルスの感染が原因のことが多いですが、飲みすぎ、食べ過ぎ、冷えなど病気以外の理由でおこることもあります。感染した病原体を出すための防御反応でもありますので、無理にとめようとすることはよくありません。下痢はあるが食欲や元気がある場合は慌てず様子をみてよいでしょう。下痢が頻回で元気がない、おしっこが出ない、水分がとれないなどの症状があるときはすぐに受診してください。また、便の様子は診断にとても大切な情報です。写真をとったりおむつを持参していただけると役に立ちます。

頭痛

頭痛には、頭痛自体が疾患である「一次性頭痛」と、ほかの病気の症状として生じている「二次性頭痛」があります。子どもの頭痛の9割くらいは一次性頭痛ですが、なかには大きな病気が隠れている二次性頭痛もあります。頭痛がだんだんひどくなる、発熱、嘔吐、ふらつきなど他の症状を伴うときは原因を調べることが必要ですので、受診をお勧めします。

手足の痛み

手や足の骨などが急速に成長する時期には、手足に痛みを感じることがあります。夜間に強くなることも多くあります。日によって痛い場所が変わったり、昼間の活動時間には元気に走り回るようであれば大きな問題があることは少ないです。痛みがだんだんひどくなる、腫れや熱感がある、皮膚の色がおかしいなどがあれば受診してください。
また、痛みではなくても寝るころに足がむずむずして落ち着かない場合も治療ができることがあります。続くようであればご相談ください。

胸が痛い

胸の痛みは心臓、肺、胸膜、筋肉、神経など様々な要因によって起こります。まずは、どんなときに痛いのか、どこが痛いのか、どれくらい続いているのかを確認し受診していただくと原因を考えやすいです。とくに運動でひどくなる、長く続く、だんだんひどくなっているときは原因を突き止めることが必要ですので、ご相談ください。

子どもによくある病・突発性発疹

突発性発疹

ヒトヘルペスウイルスの6型と7型に初めて感染したときにおこります。2歳くらいまでのお子さまにみられます。
39度前後の高熱ではじまり、熱は3~4日で自然に下がります。解熱と前後して小さい赤い発疹が体を中心に発生し、全身に広がり、自然に消えていきます。発疹がでれば病気は回復にむかっていますので、お薬や処置は不要です。解熱してもしばらくは不機嫌や食欲不振があることがありますが、だんだんおさまってきます。発熱時に痙攣がみられることもあります。熱に対しても発疹に対しても特効薬はなく、解熱剤などで対応していきます。

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌が喉に感染すると、発熱や強い喉の痛みがみられます。手足や体にかゆみのある小さい発疹がでることもあります。抗生物質がよく効く病気なので、迅速検査で確認し、1週間から10日程度お薬を飲みます。治療が不十分だとリウマチ熱や腎炎につながってしまう恐れがあるので、元気になってももらったお薬は最後まで飲み切ってください。溶連菌感染症のあと、体のむくみやおしっこの色がおかしいなどの症状があった場合は腎炎がおこっていないか調べるので、受診してください。
登園や登校はお薬を飲み始めて24時間以上たち、熱がさがって元気であれば可能です。

アデノウイルス感染症(プール熱・咽頭結膜熱)

咽頭結膜熱(プール熱)は、アデノウイルスによる代表的な感染症です。1週間ほどの潜伏期間のあと突然の高熱で発症します。発熱に遅れて目の充血がみられます。特効薬はなく、解熱剤や結膜炎が強いときは抗菌剤の目薬などで経過をみていきます。発熱は4-5日続くこともあります。
結膜炎や発熱など主要な症状がおさまってから2日経過するまでは出席停止です。目の症状がなく、咽頭炎・扁桃炎のみのときも咽頭結膜熱に準じてお休みが必要です。

マイコプラズマ肺炎

2週間ほどの潜伏期間のあと発熱、頭痛、咽頭通、倦怠感などで発症します。発熱が続き乾いた咳がだんだんひどくなります。流行状況や症状からマイコプラズマ感染症が疑われる場合は有効な抗生物質を処方して治療をしていきます。
発熱、強い咳がおさまるまではお休みしましょう。

胃腸炎(ロタウイルス、アデノウイルス、ノロウイルス)

ロタウイルスやアデノウイルス、ノロウイルスなどの感染でおこる病気です。突然の繰り返す嘔吐ではじまり、半日~1日ほど続きます。嘔吐がおさまったあと水のような下痢になることがあります。特効薬はありません。脱水や低血糖にならないように経過をみることが大切なので、少しずつ少しずつこまめに水分を飲ませてあげてください。塩分や糖分が入っている経口補水液をおすすめします。
また、吐物や便にウイルスが排出されているため、処理には塩素系漂白剤を使い、しっかり手洗いをしてください。半日以上水分がとれず、おしっこが出ない場合は受診してください。
嘔吐や下痢が落ち着き、食欲がもどるまではゆっくりお休みしましょう。

ヘルパンギーナと手足口病

ヘルパンギーナは、5歳以下の小児に多く、飛沫や接触をきっかけに感染します。3日程度の潜伏期間を経て発熱、喉の痛みで発症します。熱は3日程度で治まりますが、喉の発疹の痛みは数日続くことがあります。特効薬はなく解熱剤などの対症療法で経過をみます。塩辛いものや酸っぱいものはしみるので、冷たいものや味の薄いものを試してみましょう。なかなか熱がさがらない、水分もとれずおしっこが少ない場合は受診しましょう。

手足口病は、夏に流行することが多く、喉や手のひら、足の裏に小さな水疱がでてきます。痛みやかゆみ、喉の痛みを伴います。ヘルパンギーナと同様特効薬はなく、対症療法で経過をみます。

いずれも熱がさがり、食事や水分がとれて元気になれば登園できます。

RSウイルス

発熱、咳、ゼーゼーするような呼吸が特徴です。2歳までに多くのお子さまが感染し、それ以降も感染しますが、年齢とともに症状は軽くなります。特効薬はなく、対症療法や吸入などの処置で経過をみます。0~1歳で感染すると重症化することがあるので、慎重な経過観察が必要です。夜眠れない、呼吸が苦しそう、顔色が悪い、ミルクや水分が飲めない場合は我慢せず受診をしてください。

みずぼうそう

みずぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスに感染することで引き起こされる病気です。感染力が非常に強く、2週間ほどの潜伏期間を経て発症します。かゆみのある赤い発疹が体から発生し、全身に広がります。抗ウイルス薬を発症して48時間以内に開始することが有効です。
水ぼうそうはワクチン接種で感染や重症化を防ぐことができます(定期接種)。また、水ぼうそうと診断された人と接触後72時間以内にワクチンを接種すると9割程度発症を防ぐことができます。
1歳から接種できます。3歳になるまでに3か月以上の間をあけて2回接種してください。

おたふく風邪

おたふく風邪は、ムンプスウイルスに感染し、耳下腺という唾液をつくる器官に炎症が起こる病気です。飛沫感染や接触感染などによって感染します。このウイルスに感染すると、2~3週間程度の潜伏期間が経過した後、両側もしくは片側の耳下腺や顎下腺に腫れや痛みがでてきます。通常3~5日で改善していきます。無菌性髄膜炎、難聴、脳炎、膵炎、卵巣炎や精巣炎を合併することがあります。なかでも難聴はほぼ回復しないので、ワクチンで防ぐことが大切です。
1歳から接種できます(任意接種)。

りんご病

りんご病は、ヒトパルボウイルスB19に感染することで発症します。風邪のような症状がでたあと、両方の頬が真っ赤になることで気づかれます。頬が赤くなるころには感染力がなく、元気であればお休みする必要はありません。ただし、妊婦さんが感染すると、胎児が胎児水腫や貧血を起こすことがあるので注意が必要です。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。このウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの症状で発症します。発症後およそ半日~1日たてば迅速検査が可能です。抗インフルエンザ薬で発熱期間を短縮できますが、多くは自然に軽快しますので服薬は必須ではありません。インフルエンザの感染予防には、マスクの着用、手洗いの励行、十分な休養などが大切です。また、重症化予防のためにはワクチン接種が有効です。

尿路感染症(ぼうこう炎、腎盂腎炎)

尿道口から細菌が尿路系へと侵入・感染することでおこります。他に症状がない高熱が続くとき、腎盂腎炎を疑って尿検査を行います。通常みられない白血球が多数確認できれば診断できます。点滴で抗生物質を投与して治療するため、入院が必要になることがあります。
また、おしっこのときに痛がる、頻繁におしっこに行きたがる場合は膀胱炎をおこしていることがあります。この場合も尿検査で診断でき、抗生物質の内服で治療します。

熱性けいれん

乳幼児でみられる発熱時のけいれんです。脳が熱によるストレスにより異常に興奮するためにおこります。白目をむき、全身の痙攣がおこり、よびかけても反応がありません。多くは5分以内におさまり、意識も良好に回復することがほとんどです。嘔吐しても窒息しないよう、顔をそっと横に向け、安全を確保して刺激せず様子をみてください。余裕があれば動画をとっていただけると診断に役立ちます。すぐにおさまった場合は通常急を要しませんが、なかなかとまらない、何かおかしいと感じた場合は救急受診しましょう。体の片側だけが痙攣する、何度もおきる、痙攣が15分以上続くなどの場合は救急車をよんでください。

クループ症候群

喉頭付近の炎症により、犬の吠える声のような咳が出たり、オットセイの鳴くような咳が出たりします。悪化すると呼吸困難を招くことがあるため、治療が必要です。腫れをおさえるための吸入、ステロイドの内服などで治療を行います。

熱中症

暑い場所に長時間いると、体温調節機能がうまく働かなくなってしまいます。すると体温があがり、頭痛、めまいなどの症状が現れ、命に係わることもあります。まずは涼しい場所に移動して、衣服をゆるめ、わきの下や足の付け根を冷やしてください。吐き気がなければ少しずつ水分補給をこまめに少しずつ飲ませてください。
汗やおしっこがでないときはできるだけ早く受診してください。意識がもうろうとしている、水分がとれない、痙攣があるときは救急車をよびましょう。

中耳炎

鼓膜の内側にある中耳で炎症がおこる病気です。喉や鼻の細菌が鼻と耳をつなぐ耳管から耳に侵入しておこります。耳をよく触る、痛がる、機嫌が悪いなどがあれば耳も診察をうけましょう。急性中耳炎から滲出性中耳炎(水がたまる)になったり、慢性化することもあるのできちんと治療しましょう。予防のためにも、治療のためにも、鼻水があればこまめに吸引しましょう。程度に応じて抗生物質を服用したり、ひどい場合は鼓膜を切開して膿をだして治療します。

便秘

うんちがかたくて出すのに苦労する、痛がるとき、便秘と考えます。毎日出ていなくてもすんなり出せて機嫌がよいなら様子をみてよいでしょう。逆に毎日硬いうんちを泣きながら少しずつ出しているときは便秘で、ケアや処置が必要なことがあります。まずは食物繊維の多いリンゴやバナナ、お野菜を積極的に、水分もこまめにとってみましょう。それでも便がなかなか出ない、便に血がついている、痛くて泣いているようなときは受診をおすすめします。
まずは、たまっている便をできるだけ出してしまい、そのあと必要に応じて便を柔らかくする薬を処方します。便秘の治療は時間が必要です。根気よく治療しましょう。

すいたこども医院
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▲ : 火曜・金曜の14:00~16:00は乳児健診・予防接種
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